マダガスカルの国樹でもあるバオバブ。この木を見たくて、アフリカを訪れる旅行者も沢山います。大きくて包容力があって存在感絶大な不思議な木バオバブ。その謎をちょっとだけ紹介していきます。

バオバブはどこで見れる?

バオバブは全9種類あり、そのうち6種類はマダガスカル、2種類はアフリカ他国、1種類はオーストラリアに自生しています。マダガスカルだとモロンダバやイファティがバオバブの群生を見ることができ有名です。

バオバブの寿命は?

年輪が無いので樹齢を数えることは困難ですが、多くのバオバブの寿命が数千年!研究によると、 3,000年生きることができる木といわれています。ちなみにバオバブは、 「ボアボア」、「タバルディ」、「ボトルツリー」、「逆さまの木」、「モンキーブレッドの木」など様々な呼び名があり、果物の見た目から「枯れネズミの木」などと呼ばれることもあります。

バオバブの儚くも美しい花

バオバブは落葉性で、乾期には葉を失い、1年の9か月間は葉っぱがない状態になります。初夏になると、とても大きくて重たい白い花を咲かせます。甘い香りのする花はたくさんの雄しべを持ち、そこへやって来るオオコウモリによって受粉が媒介されます。午後遅くに花を開花させ、24時間以内に落ちてしまいます。そして白い美しいお花はあっという間に茶色に変色します。なんだかとても儚く貴重なバオバブのお花!

幹の中に水

バオバブの木は、通常5〜30mの高さに達し、幹の直径は7〜11mほど。記録上最大のバオバブの円周は47メートル!! 巨木も巨木です。木の幹には、厳しい干ばつに耐えられるように、 最大12万リットルの水を貯めることができます。ものすごい量ですね。それが、ゾウ、エランドなどの動物が、乾季の間にバオバブの樹皮を噛む理由です。バオバブから水分補給をしているのです。ちなみに、バオバブの最大の敵は、干ばつ、浸水、稲妻、黒カビ、ゾウ…。

バオバブの利用方法

バオバブは地元の人たちにとっては素晴らしい資源。果実、種、葉、樹木部分、余すことなくさまざまな目的で活用されています。食べ物、薬、美容パック、ジュース、ビール、などなど。避難所、儀式などにも利用されることから、そこに暮らす人々にとって、守り神のような存在でもあることが伺えます。

 

 

 

果実: 乾燥した果肉は、ミルクや、水に溶かして飲み物になります。バオバブの実は抗酸化で高ビタミン、高カルシウム!なんとビタミンCはオレンジの3倍、ホウレンソウの1.5倍! 栄養価が高く次世代の「スーパーフルーツ」とも呼ばれます。地元の女性は、バオバブの実からできた真っ黄色い日焼け止めをお顔に塗ったくり、そのまま村を闊歩しています。

 

種子: 食用油に。人間以外にもヒヒやイボイノシシなどの動物が、種子のさやを好んで食べます。

 

葉っぱ: 野菜として食べられています。

樹: 大きな木の幹の中をくり抜いて、小屋や貯蓄蔵として活用できます。くり抜いた幹の中に水を貯めたり、物を保存したり。カビ防止にもなり、保存力は抜群なのだとか。バオバブの木質はとても柔らかく、建材としての価値はあまりないのですが、現地ではこのくり抜いた大きな幹を利用して、郵便施設、地元のパブとしても使用されています。

 

 

 

木には動物や鳥たちが住み着きます。ハタオリドリが 枝に巣を作り、フクロウなどがその巣を襲う姿もしばしばみられます。木のくぼみには、無数の爬虫類、昆虫、コウモリが…。一本の木の中で、四六時中ドラマが展開されていたりして。

不思議な木バオバブ。生命力に溢れて、神々しくて、それでいて活用できる魅力も実は沢山!個人的には次世代のスーパーフードという点が気になっていることろ。
バオバブの群生が見れる場所はいわゆる秘境だったりもしますが、この圧倒的な光景を見に是非一度アフリカを訪れてみてはいかがでしょうか。

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