ケープタウン市街中心部からほど近くに、カラフルでポップな住宅地が存在します。色とりどりのかわいらしいお家が建ち並び、写真映えすることから有名な観光地になっています。ここは、ボカープと呼ばれる地区で、世界文化遺産に指定されています。ケープタウンに来たら是非とも訪れてみたいおすすめスポットです。
この辺り一帯の家は、もともと、1760年代に奴隷としてやってきたマレーシア、インドネシア、アフリカ他国からやってきた人々へ貸し出されていました。そのことから、このエリアはマレー・クウォーターと呼ばれてきました。
当時、ボカープ地区の全ての家屋の色は白に統一されていました。それは、白人主義による「白でなければならない」という考えに起因していると言われています。最終的にこのルールは解除され、奴隷が物件を購入することが許された際に、すべての家屋は「自由の象徴」として住民によって明るい色彩へ塗り替えられたそうです。
今でも居住者のほとんどは、当時の移民の子孫で、世代に渡り代々住み続ける人たち。ボカープで最も古い建物は、現在、博物館として公開されています。館内には 19世紀のケープマレー人住居で使用されていた家具が展示されていて、ここを訪れれば、当時のケープマレー人の生活ぶりを覗うことができるでしょう。他には、ボカープ地区には南アフリカで最初に建てられたイスラム教徒のモスクが存在していたり、街の向こうにはテーブルマウンテン、反対からはシグナルヒルを望むことができたり、歩いていると、とっさにカメラを取り出したくなる光景に出会います。
伝統的なケープマレー料理を楽しめるのもボカープ地区ならでは。ケープマレー料理とは、中東、東南アジア、オランダ料理がミックスした料理で、フルーツ、野菜や肉を使用したものが多く、なんといってもスパイスが決め手です。香り豊かなカレーやサモサなど屋台やレストランで購入することもできるので、スナックとして試してみるのもいいかもしれませんね。
目で見て舌で味わう。そんな楽しみ方ができるボカープ地区。カラフルでカワイイ街並みはなんと言っても写真映するので‘インスタ映え’スポットとしても人気です。とはいえ、ボカープ地区は一般の住宅街なので、もちろん、それぞれの家に居住している人がいます。ずかずかと家の敷地内に入るなどはタブーです。節度あるマナーを守って撮影を楽しみながら散策してみてはいかがでしょうか。