はじめまして、写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。

昨年、オンリーワン アフリカ企画の 「自然写真家高砂淳二さんと行く ベストシーズンのボツワナ・マシャトゥ動物写真ツアー」プラス「ボツワナ サファリキャンプツアー」体験があまりにも感動的で、帰国後もボツワナロスがしばらく続いた。

再度体験したいという思いが膨らみ、今回はテントに泊まるサファリキャンプに、位置的にも無理の無い世界三大瀑布の一つビクトリアフォールズを加えた旅を作って頂いた。

日程は、スーパームーンが現れる日にビクトリアフォールズを訪れる事を軸にお願いした。

憧れの「ルナレインボー(ナイトレインボー)にどうしても会って写真に収めたいからだ。

ザンビア、ジンバブエそしてボツワナを巡る12日間の旅が出来上がった。

参加者は日本から3名(男性)、私が在住するシドニーから5名(女性)、計8名の冒険チームとなった。

平均年齢52歳、私以外の女性は皆ワイルドな旅は初めて、ましてやテントに泊まった事は皆無という参加者だった。

「リゾートで過ごすセレブな日々」といった旅とは全く違うので、体力が有った方が楽しめる。

女性たちには体力作りに励むようお願いしてきた。

 

Day 1~2|ザンビア・世界三大瀑布ビクトリアフォールズ

2023年8月29日、日本チームはドバイ経由、シドニーチームは直行便で南アフリカのヨハネスブルグに集合。

空港に隣接するシティロッジホテルに一泊し、翌日ザンビアへと飛んだ。

ビクトリアフォールズはザンビア共和国とジンバブエ共和国の国境をまたがる幅およそ2kmの巨大瀑布。

両国からの違いを体験できるように一泊ずつ滞在する事になっている。

まずはザンビア側。

ザンビア空港上空に近づくと機内からでもビクトリアフォールズの舞い上がる水飛沫が確認でき、いやが上にも盛り上がった。

*ポイント・ザンビア入国にビザは不要

2022年11月7日より、日本の旅券(パスポート)所持者がザンビアに短期滞在するにあたっては、ビザの取得は不要となった。

以前は、ビクトリアフォールズ観光にザンビアとジンバブエ間を行き来できるユニビザ(KAZA UNIVISA)の取得が勧められていたが、現在は不要。

ジンバブエに入国する時だけ現地で取得すれば良い。

Zambia_Victoria falls and rainbow ビクトリアの滝と虹

ホテルにチェックインした後、昼間のビクトリアフォールズ見学へ出発。

水量の関係で観光のベストシーズンは6~8月と言われている。

水量の多いピーク時期は滝というより水の塊のように見えてしまうし、岩肌が隠れ滝感が半減するし、水飛沫でびしょ濡れになってしまうそうで、ピークを過ぎた方が撮影には向いていると聞いていた。

今年は例年より水量が少ないらしく、加えてザンビア側の上流には水力発電所があるそうで、滝は想像していたものよりおとなしかった。

月光が水飛沫に当たって作り出す「ルナレインボー」見学は、飛沫が十分でないという理由から国立公園の判断で中止となっていた。

ザンビア側で夜の虹を狙うなら、6〜7月に訪れるのがベストのようだ。

ジンバブエ側で願いが叶うよう皆で祈った。

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2時間ほど滝を見学してホテルに戻った。

Maramba River Lodgeは水辺に位置しており、水を飲みに来たゾウたちが迎えてくれた。

カバも現れるらしい。

蚊が多く、部屋のベッドには蚊帳が吊るされてあったので利用すべし。

ディナーの間に、部屋の中で蚊取り線香を焚いておいたのは有効だった。

レストランでは、料理をオーダーしてもサーブされるまで45分程かかり、我々はアフリカタイムの洗礼を受けることとなる。

しかし料理はどれも美味しく大満足。

アフリカではあくせくせず、のんびりを楽しめば良いのだ。

レストランは水辺の屋外にあり景色は最高なのだが、夜は蚊が湧いてくる。

虫除けは必須。

 

Day 3|ジンバブエ・夜のビクトリアフォールズでルナレインボーを見よう

8am、ジンバブエ側のロッジNguni Lodgeへバスで出発。

国境でジンバブエ入国の為のビザを取得した。

*ポイント・ビザ取得の支払いは綺麗なお札で

前述したユニビザ(ザンビアとジンバブエ間を行き来できる。US50ドル)ではなくジンバブエのみのビザなので、支払いはUS30ドル(2023年8月現在)。

事前情報で、ビザ取得の際に支払う米ドル紙幣はクシャクシャだったり落書きがあるような物は受け付けてくれないと聞いていたので、参加者には何度か告知しておいた。

にも関わらず、クシャクシャの紙幣を混ぜた困った人が一人いて、案の定突き返されてしまった。

後から来た団体さんに先を越されるところだったが、皆の連携プレーでうまく回避できた。

時間ロスになるので、必ず綺麗な紙幣で支払うこと。

Zimbabwe Victoria falls and rainbow ビクトリアの滝と虹

ホテルのチェックインを済ませ、昼のジンバブエ側からのビクトリアフォールズ見学へ出発。

ジンバブエ側は水量も多く巨大な滝の迫力を体験する事が出来た。

水飛沫も勢いよく上がっており、虹が我々を追いかけてくる。

  • 虹撮影の場合、PL(偏光)フィルターを使用するとよりくっきりと撮影できるので楽しくておすすめ。
  • 園内に入るとトイレはないので、入り口で済ませておくのが良い。

見学後はマーケットに寄りお土産を物色した後ホテルに戻った。

今夜は国立公園がオープン予定とのことなので、ルナレインボーが拝めそうだ。

それまで自由行動。

日中ならホテル周辺は安全とのことで、散策も可能。

この時、参加者から前日に宿泊したザンビアのホテルに忘れ物をしたという申告があった。

そういえば、ザンビアもジンバブエも現地オペレーターは同じ会社だった。

届けてもらう事は出来ないかとダメもとで相談してみる。

すぐに会社へ連絡を入れてくれたが、回答待ちになった。

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18:30にルナレインボー見学の迎えが来た。

国立公園入り口には我々が一番乗りだった。

良いポジションで虹を拝めそうだ。

そして40名程の人が集まってきて、我々の後に並んだ。

園内レンジャーの確認の後、無事夜間オープンが決定されついに入園する事ができた!

この夜は今年最大のスーパームーン。

皆の願いが叶い、強い月光に浮かび上がる7色のダブルレインボーが夜空に浮かび上がっていた。

国立公園の夜間オープンは、満月とその前後の3日間のみ。

ルナレインボーの撮影が目的なら、ジンバブエ側に6〜8月に行くのがベストだと思った。

月が雲に隠れなければ遭遇できる確率は非常に高い。

Luna rainbow 夜の虹

 

Day 4|ジンバブエからボツワナ・チョベ国立公園へ

朝は出発までゆとりが有ったのでホテル周辺を散策。

ジンバブエを11amに出発しボツワナのChobe Bush Lodgeへ向かった。

日本人はボツワナのビザは不要なので、審査だけでスムーズに入国できた。

トータル3時間ほどのドライブでホテルに到着。

Malachite Kingfisher カンムリカワセミ

15時からはチョベリバーでサンセットクルーズを体験した。

ゾウやカバ、世界で2番目に小さいという美しいカンムリカワセミにも遭遇することができた。

ボートではドリンクサービスもあり、ソフトドリンク、アルコールを頂きながらクルーズを楽しめる。

水辺の夕景の色彩は水面に反射し倍増し、その中に野生動物のシルエットが加わり非常に美しいものだった。

*ポイント・部屋のドア、窓は必ず閉めること

連絡事項が有ったので、参加者の部屋へ行った。

ドアが開いたままだったので中を覗いてみた。

すると、そこにはなんと私と目の高さが同じ位であろう(ちょっと誇張^^)大きなバブーンがいて鉢合わせとなり「???」と両者固まる。

慌てて男性参加者を呼び、殺気を漂わせながら部屋に入ってもらったら、バブーンはすぐに逃げていった。

このホテルに限らず、アフリカ滞在時は必ず部屋のドアやバルコニーの窓は閉めるように。

好奇心旺盛な訪問者が入り込んでしまうのだ。

夕食はホテルのレストランでいただいた。

食事をしていると、翌日から1週間お世話になるキャンプサファリを運営する経営者でありガイドのディショー氏が挨拶に来てくれた。

私にとっては一年ぶりの再会だ。

翌朝は時間に余裕があるので、朝のクルージングに招待してくださるとのこと。

一同感激!

 

Day 5~10|テントキャンプのサファリな日々!世界遺産オカバンゴデルタ

Hippo at Chobe River チョベリバー_カバ

朝のクルージングは動物たちが非常に活発な時間で、撮影には最高。

小さめのボートだったので動物たちにかなり近くまで寄ることもでき、皆大興奮だった。

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朝のクルーズからホテルに戻ってくると、フロントで私の名前が書かれた荷物を手渡された。

なんとザンビアのホテルに置き忘れた参加者の荷物ではないか!

3カ国を跨いで忘れ物が届いたのだ!!!

なんて親切なんだろう!

現地オペレーターの素晴らしい連携サポートに感動し、心から感謝した。

Botswana_Mating leopards ヒョウの交尾

クルージングの後、サブティ湿地へ移動しながらゲームドライブ(車で野生動物を観察しに行くこと)を堪能した。

参加者8人なのでサファリカーは2台。

その半数がフォトグラファーだったので、一台に4名だけという贅沢なゆとりは左右両側を自由に撮れるので非常にありがたい。

今回はサブティ2泊、クワイ2泊、モレミ動物保護区2泊、計6日テント泊のキャンプを体験する。

テントステイと言ってもそのサービスやホスピタリティは贅沢そのもの。

ロッジに比べれば多少不便を感じることもあるが、それを凌ぐほどの満足感を提供してくれる。

電気もガスも無いので、料理は全て焚き火。

パンやケーキまで焼いてくれる。

各テントには専用のシャワーとトイレもあり、寝心地の良いベッドも設置されている。

何よりも、大地と一体化する事ができるし、我々が去ればその場所を動物たちにそのまま返すことができるのが素晴らしい。

昨今、環境に配慮した「サステナブルな旅」が世界中で注目され推奨されているが、テント泊のキャンプはまさに究極のそれだ。

サファリの一日はおよそこんな感じ。

  • 朝食
  • 6am ゲームドライブに出発
  • 10am モーニングティ
  • キャンプサイトでランチ、休憩
  • 3pm 午後のゲームドライブへ出発
  • アフタヌーンティ
  • 7pm頃にキャンプサイトでディナー

1日2度のゲームドライブで非日常の世界を過ごすため、1日が2日分に感じる程の濃厚な毎日だ。

こんな動物に会いたい、こんな景色を撮りたいと我々の希望をガイドに伝えておいたのだが、できる限りの努力をしてくれた。

このバオバブ&天の川の写真もその成果の一つ。

Baobabs under the Milky Way バオバブと天の川

 

日本人にはテントキャンプで過ごすアフリカ旅行はまだあまり知られていないようなので、こちらも是非参考にしていただきたい。

昨年オンリーワン アフリカが企画したボツワナ・オカバンゴデルタでテント泊のキャンプサファリを体験した時の様子を写真付きでまとめたものだ。

どんな設備なのか、どんなホスピタリティなのかわかるので、不安も解消して頂けるはず!

フォトエッセイ『PULA!〜アフリカの魔法のオアシスへ〜』17話 連載|旅フォトエッセイ
『PULA!〜アフリカの魔法のオアシスへ〜』第17話

 

最終日のディナーの時にアフリカの歌を聴きたいとリクエストをしたら、スタッフ全員で披露してくれた。

我々も全員参加して一緒に歌い踊り、涙涙の感動的な旅の締めくくりとなった。

 

Day 11~12|マウンからヨハネスブルグへ。旅が終わる。

サファリのティータイム

早朝、キャンプ場を出発しマウン国際空港へ移動。

水辺でモーニングティーを頂きながら、オカバンゴデルタに別れを告げた。

マウン市街に近づくと、目に入る生き物は野生動物から家畜に変わる。

今年は雨が少ないようで、通常クルーズが行われているという川には水がほとんど無く草地となっており、牛が集まり草を喰んでいた。

予定通りの時間にマウン国際空港に到着。

Maun airport マウン空港

マウン空港入口。右のオレンジ色の建物はお土産屋さん。

*ポイント・お土産はどこで?

マウン空港入口周辺の店舗で購入するチャンスはある。

が、出発まであまり時間に余裕がない。

ゆっくり探したいなら、ヨハネスブルグ空港が良い。

店舗も多くあり、中には購入価格の一部がマラリア対策などの募金になるような商品もありおすすめ。

免税店でも一般的なお土産を揃えることができる。

フライト出発は1時間ほど遅れたが、無事ヨハネスブルグに到着した。

アフリカのフライトは時間変更が珍しくない。

乗り継ぎの場合、時間が十二分に無いようなら一泊した方が良いという事を昨年学んだ。

今回は迷わず一泊するよう日程を組んでもらったのでストレスがなかった。

日本へ戻る人はかなりの長時間フライトになるので、ホテルで疲れをとっておくのは良策だ。

*ポイント・ウォーターボトル(水筒)をお忘れなく

行きにも宿泊したこのシティロッジホテルだが、環境配慮の為、部屋にペットボトルの水は用意されていない。

ロビー階に、水、お湯、炭酸水が無料で補充できる給水機が設置されているので利用してほしい。

ボトルを持っていなければロビーで購入できるが、サファリの時にもボトルは必需品となるのでお忘れなく。

ホテルのレストランで参加者全員が集まり、お別れディナーを囲んだ。

旅の感動話で盛り上がり、そして別れを惜しむ。

素の自分に返ると言うのか、人間本来の魂に戻れるようなアフリカのサファリ体験を通じて、参加者はお互い絆を深め合ったようだ。

そして翌日、日本とシドニーへと出発し、旅の終わりを迎えた。

 

オンリーワン アフリカの皆々様、大変お世話になりました。

素晴らしい旅の手配をありがとうございました。

フォトラベラーYori

Botswana_Elephant in the light