アフリカ最古の独立国へ

東をソマリア、南をケニア、西を南スーダン、北をエリトリアに囲まれた内陸国です。人口は1億200万人でサハラ以南のアフリカの中ではナイジェリアに続いて2番目に人口が多い国です。80をも上回る民族がそれぞれ異なる言語を有するこの国は古代文明と文化遺産の国としても知られ、また植民地時代には独立を守った最も古い主権独立国の一つです。

正式名称 エチオピア連邦共和国 / Federal Democratic Republic of Ethiopia
公用語 アムハラ語、英語
首都 アディスアベバ
宗教 キリスト教、イスラム教
日本との時差 -6時間
通貨 Birr(ブル)

気候

国土の大部分が標高2300mを超える高原にあり、首都のアディスアベバは標高2400mのところに位置しています。また、サバンナや砂漠など、変化に富んだ地形も持ち合わせています。地域によって気候は異なりますが、一般に一年を通じて気温の変化が少なく、降水量が多いのが特徴的です。年間降水量は1200mmを超え、特に雨季には大量の雨が降ります。首都より北部は、標高2000mを超す地域です。この地域の気候は、乾季10月〜4月頃、雨季5月〜9月となっていて、雨がほとんど降らない乾季が観光シーズンです。高原にあるため、年間の平均気温は20〜25℃。ただし、日中は30℃を超すこともある一方、夜間は10℃以下になるため、温度調整ができる服装が必要です。南部は、標高が低く、サバンナが広がっています。このエリアは雨季・乾季の区別がはっきりとしていません。比較的雨が少ない6〜9月がベストシーズンですが、この季節は気温が高く暑さ対策が必要です。日差しが強いのでサングラス、帽子、日焼け止めなど必須です。また、虫除け・日焼け止めのために半袖より長袖の方がオススメです。

エチオピアの見どころ

2015年世界で最も行きたい場所に選ばれたエチオピア。アフリカ最古の独立国であるこの国は、建国3000年の歴史を持ち、言語や宗教など独自の文化が発達してきました。

コーヒー発祥の地としても有名であり、歴史、文化、自然において魅力溢れる国です。北部のアクスム、ラリベラ、ゴンダール、東部のハラールといった古都の遺跡の数々。人類史上において最も古い化石遺骨「オーストラロピテクス(ルーシー)」の発見で脚光を浴びた東部のアワシ川流域は、ミネラル温泉が湧き出ることでもよく知られています。南部には自然愛好家に嬉しい手つかずの豊かな自然が残る国立公園が数多くあります。

エチオピア北東部のハダール村付近の一帯に広がる地域です。アウストラロピテクス・アファレンシスの化石人骨ルーシーが、フランスとアメリカの合同調査隊により1974年にここで発見されました。このアウストラロピテクス・アファレンシスとは、最古の人類とされる約300万年以上前の猿人のことで、人類の起源を研究する上で貴重な手がかりとなることから、1980年に世界文化遺産に登録されました。

ハラールの首長であったヌル・イブン・ムジャヒドにより、16世紀に建造された防衛壁です。現地の言葉で「ジュゴル」としてよく知られています。このジュゴルが機能していた時代には、壁に設置された5つの門からの出入りが許されていました。現在もこの壮大な建造物が残っており、街のシンボルとなっています。

17〜18世紀にエチオピアの首都として繁栄した町で、アフリカの「キャメロット」とも呼ばれています。ゴンダールにはファシリダス皇帝やその後継者が暮らした王宮群があり、高さ900mの城壁の中には、「不思議の城」と呼ばれるヨーロッパの様なお城があります。そのほか、18世紀に建設されたラス・ベイト宮殿や崩壊したクスカム宮殿内のファシリダス皇帝の浴槽、天井の隅から隅まで80の天使が描かれたデブレ・ベルハル・セラシェ教会などもあります。

ソロモン朝の首都ゴンダールは「ゴンダール地域のファジル・ゲビ」として、1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

3000メートル級の山々が連なるエチオピア北部にある自然公園です。エチオピアで最も高い山とされる「ラス・ダシェン」(標高4620メートル)は、この国立公園に隣接しています。北方と東方に広範囲に延びる断層の長さは約60キロメートル。また周辺の台地は1000メートルもの深い峡谷で切り裂かれ、一つの谷を越えるだけでも2日以上かかります。

この地域にはエチオピア固有のワリア・アイベックスやセミエン・レッド・ウルフ、ゲラダ・バブーン、ハマデュラス・バブーン、クリプスクリンガー、ブッシュ・バックなどが生息し、上に視線を向ければ大空を舞うラマーゲイヤー、オウガー・コンドル、ベル・ツバメ鷲、そしてケストレル(ハヤブサ)などの姿も見られます。このセミエン国立公園は、1978年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。

エチオピア南西、タルカナ湖に注ぐオモ川に隣接したエチオピア最大の野生動物保護公園です。総面積は4068平方キロメートルの広大な敷地に、大型カモシカやオリックス、バーチェル・ゼブラ、レルウェル・レイヨー、水牛、アフリカ・レイヨー、クーズーなどの野生動物が生息し、カモシカや水牛、キリン、象、ライオン、そしてチータの姿などが森林を自由に往来するまさに野生王国です。

また、温泉も噴出しています。オモ川下流域に広がるこの地帯は、1980年ユネスコの世界遺産に登録されました。

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