「サファリ」という言葉は英語と思われがちですが、元々はアラビア語の「旅行」が語源でスワヒリ語で「小旅行」のことを意味します。スワヒリ語は、主にケニアやタンザニアなどの東アフリカで話されている言語です。

ライオンキングで有名な「ハクナ・マタタ」は実はスワヒリ語。「心配ないさ。気楽に行こう」という意味です。またスワヒリ語でライオンは「シンバ」と呼ばれます。「バラバラ=道」「ポレポレ=ゆっくり」などスワヒリ語は響きが可愛らしく、日本人にも馴染みやすいです。

現在は野生動物を探すことを「サファリ」と呼んでいます。アフリカ旅行というと「野生動物を見に行く!」という漠然としたイメージは湧きますが、「実際にどんなことをするんだろう?」。そんな疑問やサファリのポイントについてご紹介しましょう。

①サファリカー

野生動物を身近に感じ、さまざまな角度から動物を見られるように専用のサファリカーを使用します。車両はサファリ用にランドクルーザーを改造したもので、運転席と助手席を含めると8席で開閉式の大きな窓が付いています。また車の屋根が上に開くポップアップルーフが付いているので、立ったまま車の上から動物を観察できます。

広々とした安全な空間で、動物たちの声や自然が奏でる音に耳を澄まし、草木の匂いを感じながら自然と一体になることでより一層サファリが楽しめます。サファリ中は、ほとんど車を降りることはありません。トイレ休憩では、国立公園内の休憩所に移動します。

②スケジュール

サファリは、朝早くから始まります。夜明けに起きだし、紅茶やコーヒーを飲んで体を温めてから出発しましょう。朝のサファリを「モーニング ゲームドライブ」と呼びます。朝早くからサファリに出かけるメリットは、動物たちの動きが活発な時間帯なので、多くの動物を見られるチャンスが多いことです。昼間の暑い時間帯、夜行性のライオンなどは茂みでずーっと寝ていることもあり、尻尾しか観察できないことも。朝は空気が一段と澄んでいて、様々な鳥も飛び回っています。陽が出てきて、お腹が空き出した頃にロッジやキャンプに戻ります。シェフがその場で作ってくれた温かいオムレツやトロピカルフルーツなどの朝食をのんびり食べて午前中は終了です。

その後は、午後16時頃のゲームドライブまで自由時間です。お昼寝、現地のスタッフと会話をしたり、施設内をお散歩、プールで日光浴など思い思いに過ごし途中に昼食を挟みます。少し涼しくなり、リフレッシュして元気が出た頃に午後のゲームドライブへ出かけましょう。日が沈むまでサファリを楽しんでから、再びキャンプへ戻ります。

朝が弱い人はスタートを遅らせたり、一日中サファリを楽しみたい場合は、朝食の後にピクニックランチを持って終日ゲームドライブを楽しむこともできます。プライベートのサファリはスケジュール調整ができるので、ガイドと相談しながら自分のペースや体力に合わせて進めることができます。

③どんな動物が見られるの?

よくある質問ですが、野生動物なのでサファリ中は何が見られるかは分かりません。もちろん時期や訪れる場所によって見られる動物や数は異なりますが、必ず何かに遭遇します。ゾウの親子、急かせかと走り回るイボイノシシ、ぼーっと一点を見つめるキリン、水から顔を覗かせるカバの大群、食べ物を探して歩き回るハイエナなどタイミングや運次第で出会える動物はさまざま。一見地味に思われがちな鳥の観察も時間をかけてじっくり見ると、意外とハマってしまうものです。動物のリラックスした表情、家族とじゃれる様子などありのままの平和な野生動物の姿は心を癒やしてくれるでしょう。

④体力は必要?移動が心配。

国立公園や保護区間は距離が離れているので、陸路の移動が多くなります。「体力が心配」「ゆっくり旅したい」。そんな方はフライトで移動できる公園を選んで1箇所に滞在しながらじっくりサファリを楽しむのもおすすめです。「飽きてしまわない?」と聞かれることもありますが、サファリは1日として同じ日はありません。
晴れや雨の日など天候によって自然がみせる景色は異なり、それぞれに違った良さや美しさがあります。ケニアの首都ナイロビからフライトで移動できるマサイマラ国立保護区は不動の人気で、サファリ初心者からリピーターまでおすすめです。陸路でもゆっくりな行程を組めば、数カ所でのサファリも無理せず楽しめます。

mara river

サファリは、旅行のプロに任せリラックスして楽しむことが重要です。予算や体力、優先することを吟味して旅の計画を立て人類発祥の地アフリカで野生動物の世界を体感しましょう。